★【プレスリリース】子ども・被災者支援法基本方針 パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾

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20131010

【緊急プレスリリース】

 

子ども・被災者支援法基本方針

 

パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾

 

〜明日の閣議決定へ抗議!被災者の意見を反映した本質的修正を〜

 

 復興庁が1年以上「子ども・被災者支援法」を実施せずにいましたが、8月30日、ようやく基本方針案を発表しました。しかし、この基本方針案は市民が求めていた内容とは隔たりがあったため、多くの被災当事者・支援者が「各地で公聴会の実施を」「支援対象地域の見直しを」と声をあげ、同趣旨のパブリック・コメントや自治体からの意見が多く寄せられました[1]

 しかし、これらの声は無視されたまま、昨日「基本方針」の最終版が与党了解を得て、明日にも閣議決定されようとしています。この最終版の内容は、当初発表された基本方針案を微修正しただけであり、多くの被災当事者や支援者の意見や、待ち望んでいた具体的な要望は、一切反映されていません。市民の求める抜本的な修正を求めるとともに、報道機関の皆様におかれましては、本修正基本方針が市民の声を反映したものではないことをきちんと報道していただきますようお願いいたします。

 

<修正基本方針の問題点>

1.被災者やパブリック・コメントで寄せられた意見が無視されている。

説明会で表明された意見やパブコメで出された下記の意見が全く無視されています。

  各地で公聴会を開き、基本方針を抜本から見直すべき

  支援対象地域が狭すぎ、指定の根拠があいまいである。線量年1mSvを基準とすべき

  被災者の声をしっかりときくべき

  福島県外にも健診を拡大すべき

  現行の借上げ住宅制度の新規受付再開や長期延長、借り換えを認めてほしい

 

パブリック・コメントへの回答も示さないままこのように手続きだけを急ぐ復興庁の姿勢は、被災者軽視、国民軽視であり、第五条第三項・第十四条で「被災者の意見の反映」を定めた支援法の規定[2]から逸脱するものです。

 

2.修正はすでに実施済みの施策や表現の明確化のみにとどまっている

 

<支援対象地域、線量基準>

 

p.2:除染については汚染状況重点調査地域において除染実施計画について適切に実施

⇒これは、すでにやっている施策です。

 

p.2:法第13条に基づく施策について、後述の通り適切に支援地域及び対象者を設定の上、実施される

⇒後述を参照しても法第13条に基づく施策の支援地域や対象者については具体的には書いていません。むしろ、「汚染状況重点調査地域」を対象に健診して欲しいと望んでいた被災者の声を無視し、敢えて、分離したようにさえ読み取れます。


<自主避難者対策、住宅政策>
  

 

p.7 借上げ住宅 「同年4月以降については、代替的な住宅の確保等の状況を踏まえて適切に対応。

⇒「代替住宅に移行する」という従来の説明の繰り返しにすぎません。

 

p.7 「新規の避難者を含め、」公営住宅への入居の円滑化を支援

⇒入居要件のうち「住居困難」要件が避難者にも適用される利用ができるようになるということにすぎません。新規避難者を含めと記載したところで、公営住宅は地域によっては逼迫していて、借りられない恐れがあります。実際に、政府は、9月30日の市民との会合で、避難者が多い地域の空き状況はわずか「1%」と説明しています。しかも、その「1%」が本当に避難者が利用できるような立地なのか等不明点が少なくありません。

 

・就業支援の円滑支援に「避難先で」が追加

⇒これは一見前進のように見えますが、個別の施策には「福島県内及び福島近隣県に避難して就職を希望する方への合同面談会等を実施」としか書かれておらず、有効性に疑問があります。

  

 

<健康調査>

p.9 「福島県県民管理基金」の各事業のフォローアップ

⇒福島県から要望を受け、18歳未満の医療助成継続などを意味すると見られますが、国庫から医療費助成などを受けていない近隣県との格差は広まるばかりです。見直しを行うべきです。

 

p.10「住民票の有無にかかわらず事故当時福島県に居住・滞在されていた方を含む」

⇒福島県民に対しては現在までもやってきていたので新規性はありません。当時、福島県に滞在されていた被災者を把握して、対象とするのであれば、少し前進していると思われます。

 

p.10 福島県民健康管理調査の着実な実施のため、甲状腺検査結果の情報の管理・集約・提供のあり方を検討

福島県民健康管理調査に関しては、11月にも甲状腺専門部会が立ち上がることが既に8月の時点で決まっており、本件を新たに追記する必要があるのか疑問です。

 

 

<基本方針の見直し>

p.13 「基本方針の見直し」…支援対象地域等の対象となる区域の見直しにあわせて、必要に応じ、その内容を見直すこととする。その際被災者等の意見を適切に反映する観点から、被災者を支援する民間団体等とも連携する

⇒見直しするかどうかは政府の判断に委ねられており、私たちが要請していた、基本方針への被災当事者・支援者の意見の反映や、実施に当たっての「被災者・支援者との常設の協議機関」とは程遠い内容です。

  

 

なお、修正版の基本方針をお持ちでない報道機関は個別にお問い合わせください。

 

本日12時から13時まで復興庁との交渉を予定しています。場所は参議院会議室講堂となります。また13時から各地被災者の報告集会があり、本修正基本方針に関するコメントなども取材可能です。

 

本件お問い合わせ

原発事故子ども・被災者支援法市民会議 

連絡先:FoE Japan(満田)/090-6142-1807

 

 



[1]復興庁によれば、パブリック・コメントは4,900件よせられ、その多くが、各地で公聴会を開くべき、被災者意見が反映されていないのは問題、支援対象地域が狭すぎ、根拠がないなど、基本方針案の根本を問うものでした。また、福島県外にも健診を拡大すること、借上げ住宅制度の新規受付再開や長期延長などを求める意見も多かったとのことです。しかし、これらの意見に対する対応は公開されていません。

[2]法第五条第3項「基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させる…」

法第十四条「国は、第八条から前条までの施策の適正な実施に資するため、当該施策の具体的な内容に被災者の意見を反映し、当該内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な措置を講ずるものとする」